日野コンテッサ1300のステアリングのアッシーの内部は結構、変更・改善がなされている。コスト的な改善というものでなく、品質上の改善であり、後のものほどベストと考える。例えば、クーペで言えば、「PD300-103369以降」のアッシーは最善なものが組み込まれている。クーペと1300Sは、その性格上、リターンスプリングが強化されたものが組み込まれている。これら含めて、自車にどんなものが新車時に組み込まれ、オーバーホールなど含めて正しくメンテナンスされているかを知っておくことが肝要である。
広島や横浜でタクシー需要にコンテッサ1300が向けられた。当時の資料で、横浜ではなかったようだが、広島ではステアリング・ハウジングの割れが致命的なものと記録されている。おそらく横浜に比較して広島はまだ悪路が多かったと考えられる。これらのフィードバックがあり、最終的にハウジングの強化を図ったと分析する。当時の資料では、ラリー車などのようにハウジングのブッシュの部分をバンドで強化するというのもあり、これは今でも効果的な対策と考える。
【1967年4月25日付け】

- PD100-545500以降
PD100S-544577以降
PD300-103369以降 - 変更箇所:ステアリング・ハウジング端部の肉厚を増加
- 目的:ステアリング・ハウジング端部の割れを防止するため
- 互換性:あり
- 部品出荷時期:準備済み
- 当サイトオーナーの見解:ステアリング関係、最大かつ最善の改善と考える。遅きにして実行したと感じる。
【1967年4月25日付け】
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- PD100-540372以降
PD300-102880以降 - 変更箇所:ラック・シャフト背面の “平取り量” を変更
- 目的:ステアリング・ハウジング・ブッシュの早期摩耗を防止するため
- 互換性:あり
- 部品出荷時期:準備済み
【1966年7月25日付け】
- PD100-535990以降
PD300については不明、当サイトオーナー分析:おそらく1966年秋以降と推測 (2015.7.20現在) - 変更箇所:ステアリング・ラックの右側のブッシュの材質を鉛青銅鋳物からクロムモリブデン鋼 (SCM21) に変更
なお、左側ブッシュ (ポリウレタン) については変更なし。
同時にピニオン先端のブッシュも生産性向上のために鉛入黄銅から鋳鉄に変更。 - 目的:耐摩耗性の向上
- 互換性:あり
- 部品出荷時期:1966年9月中旬より
【1965年6月18日付け】
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- PD100-511927以降のセダン
- 変更箇所:ラック・ガイドの再室をナイロンから “デルリン (ホリアセタール) ” に変更
- 目的:ステアリング・ホイールをいっぱいに切ったとき、ストッパ・カバーがダスト・カバー・フランジに当たった状態でダスト・カバー・フランジの変形を防止するため
- 互換性:あり
- 部品出荷時期:昭和40年7月より
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【1965年6月18日付け】
PD100-504325以降のセダン
変更箇所:ダスト・カバー・プレートの板厚と穴の位置の変更
目的:ステアリング・ホイールをいっぱいに切ったとき、ストッパ・カバーがダスト・カバー・フランジに当たった状態でダスト・カバー・フランジの変形を防止するため
部品出荷時期:実進み
【1965年6月18日付け】
- PD100-504138以降のセダン
- 変更箇所:ステアリング・ラックおよびストッパ・ラバーの寸法を以下のように変更
ステアリング・ラック 全長 652.5mm -> 646.5mm
ストッパ・ラバー 厚さ 8.5mm -> 5mm - 目的:トーイン調整要を増すため
- 部品出荷時期:1965年1月より
- 当サイトオーナーの見解:「トーイン調整要を増すため」とあるがこれは本質的に関係ないと分析する。ステアリング・ラックの全長がおよそ6mmとストッパ・ラバーの厚さがおよそ7mm (左右で)、計:13mmの減少は再大回転半径に大きく影響するために、何らかの理由でそれを修正、すなわち大きくすることあったのでは推測する。
【1965年1月16日付け】
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- PD100-503580以降のセダン
- 変更箇所:ステアリング・ラック背面平取りおよびラック・ガイドの変更 (組にて)
- 目的:ステアリング関係からの異音防止のため
- 部品出荷時期:即刻
【1965年1月16日付け】
- PD100-501548以降のセダン
- 変更箇所:ステアリング・アッシーのリテイナ・リング、硬度HRC 44〜46を48〜52に変更
- 目的:リテイナ・リング組込時のへたり防止のため
- 部品出荷時期:即刻
参考文献
- 日野自動車、当時のデーラー・ノート各部
(SE, Original 2015.7.20)
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